OPENCLAW ARTICLE

OpenClaw エージェント ブートストラッピング ガイド

ishiwari.net articles

ブートストラッピングとは、OpenClaw エージェントの「初回ワークスペース初期化 + 初期チューニング」の仕組みです。初回セッション時に自動で起動し、エージェントの名前・性格・行動ルールなどを対話形式で設定します。


仕組みの概要

OpenClaw はセッション開始時にワークスペース(デフォルト: ~/.openclaw/workspace)内の .md ファイルを読み込み、システムプロンプトに注入します。

~/.openclaw/workspace/
├── BOOTSTRAP.md   # 初回のみ実行され、完了後に自動削除
├── AGENTS.md      # エージェントの行動ルール
├── SOUL.md        # エージェントのパーソナリティ
├── IDENTITY.md    # エージェントの自己定義
├── USER.md        # ユーザー情報・好み
├── TOOLS.md       # ツール設定
├── HEARTBEAT.md   # 定期タスク設定
└── MEMORY.md      # 長期記憶(任意)
注意: BOOTSTRAP.md は初回セッション時に1度だけ実行され、完了後に自動削除されます。再実行したい場合は skipBootstrap: true を設定、または手動でファイルを再配置します。

ブートストラッピングの実行フロー

初回セッション開始時、エージェントは BOOTSTRAP.md を読み込み、対話形式で以下を設定します。

1. エージェントの自己認識(名前・キャラクター・トーン・絵文字)
      ↓
2. IDENTITY.md・USER.md を作成・更新
      ↓
3. SOUL.md で価値観を深掘り
      ↓
4. 通信チャネルの設定(任意)
      ↓
5. BOOTSTRAP.md を自動削除して完了
ロボット的な質問攻めではなく、自然な会話のトーンで進みます。

各ファイルの役割

BOOTSTRAP.md — 初回セットアップ(自動削除)

初回のみ実行される Q&A セッションです。エージェントがユーザーに以下を質問し、その回答を各ファイルに書き込みます。

質問内容書き込み先
エージェントの名前IDENTITY.md
キャラクター・性質IDENTITY.md
トーン(フォーマル・カジュアル等)IDENTITY.md
シグネチャー絵文字IDENTITY.md
ユーザーの呼び方・大切にしていることUSER.md
価値観・行動指針SOUL.md

IDENTITY.md — エージェントの自己定義

エージェント自身が「自分は何者か」を定義するファイルです。

フィールド内容
Nameエージェントの名前
Creature存在の定義(AI、アシスタント、使い魔 等)
Vibe雰囲気(鋭い、温かい、落ち着いている 等)
Emojiシグネチャー絵文字
Avatarアバター画像(ワークスペース相対パス / URL / データURI)

SOUL.md — パーソナリティ定義

毎セッション最初に読み込まれ、エージェントの人格・価値観・トーンを定義します。変更は次回セッションから反映されます。

主なセクション:

セクション内容
Core Truths表面的でなく実質的な支援、自力で問題解決してから質問 等
Boundaries機密情報の保護、外部アクション(メール送信等)は慎重に
Vibe誠実で個性的なアシスタントとしての雰囲気
Continuityファイルを記憶装置として自己更新する仕組み
ファイルは 50〜150行(1〜2ページ)程度が最も効果的とされています。

AGENTS.md — 行動ルール

毎セッション読み込まれ、エージェントの行動規則・メモリ管理・禁止事項を定義します。

主なセクション:

セクション内容
First Run初回は BOOTSTRAP.md に従い自己認識を行う
Memory日次ノート(memory/YYYY-MM-DD.md)と長期記憶(MEMORY.md)の管理ルール
Red Linesプライベートデータの流出禁止、破壊的コマンド実行前の確認必須
External vs Internalファイル読み込みは自由、メール送信・公開投稿は事前許可が必要
Group Chats量より質、直接質問された場合のみ応答

USER.md — ユーザー情報

エージェントがユーザーをより深く理解するための情報を蓄積するファイルです。

フィールド内容
Nameユーザーの実名
What to call them呼び方の好み
Pronouns代名詞(オプション)
Timezoneタイムゾーン
Notesその他の情報
Context大切にしていること、進行中のプロジェクト、好み等

TOOLS.md — ツール設定

エージェントが使用するツールのローカル設定を記録します。スキル確認には SKILL.md を参照します。


HEARTBEAT.md — 定期タスク設定

エージェントが定期的に実行するタスクを定義します。

# ファイルが空またはコメントのみの場合、ハートビートの API コールはスキップされます
# 定期チェックしたいタスクを以下に追加してください

設定例(メール・カレンダー・天気の定期チェック等)を追加すると、ハートビート実行時に自動で処理します。


MEMORY.md — 長期記憶(任意)

自動作成はされません。存在する場合、毎セッションで読み込まれます。重要な決定・教訓・学習内容を蓄積するファイルです。


ファイルの注入タイミング

ファイル通常セッションサブエージェントハートビート
AGENTS.md-
SOUL.md--
IDENTITY.md--
USER.md--
TOOLS.md-
HEARTBEAT.md--
MEMORY.md✅(存在する場合)--

設定の上限値

設定項目デフォルト値
1ファイルあたりの最大文字数20,000文字
全ファイル合計の最大文字数150,000文字

変更する場合は openclaw.json に設定します。

{
  "agents": {
    "defaults": {
      "bootstrapMaxChars": 20000,
      "bootstrapTotalMaxChars": 150000
    }
  }
}

ブートストラップを再実行したい場合

BOOTSTRAP.md を手動でワークスペースに再配置してから、新しいセッションを開始します。

# 公式テンプレートから再取得する場合
openclaw configure

完全リセットする場合:

openclaw onboard --reset --reset-scope full

参考資料